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2021年06月09日(水)更新

はっきりしました!

先月24日のブログにお能の話を書きました。もっとも人気のある曲の一つである「羽衣」の事です。

私が少しばかり熱心にお能を見始めたきっかけが「羽衣」でした。キリの部分で羽衣を返された天女がそれを着て天に戻る時、「愛鷹山や富士の高嶺、かすかになりて、天つ御空の、霞にまぎれて、失せにけり。」ここに差し掛かった時、まるで天女が空中に浮かんでいる様に見ええ、お能のすばらしさを再認識しました。

話は天女の冠です。正式には天冠(てんかん、もしくは てんがん)と呼ぶようです。
この天冠の真ん中は月や鳳凰の立物(たてもの)を付けるところでしたが、その立物が見当たらず困っていた時、ふと庭を見ると牡丹が咲いているのが目に入り、「これだ」と声を上げ、牡丹の花を立物として天冠に飾ったということです。この時以来、天冠を牡丹が飾るようになったようです。

遠目に蓮と牡丹の区別がつきませんでしたが、最近になり漸く牡丹と分かり安心しました。
それにしてもよくラジオで放送してくれました。うれしい限りです。胸のつかえがとれた感じです。
 

2021年06月09日(水)更新

花き分析センターの役割

世田谷にあるIFRL(国際花き分析センター)は切花の日持ち検査を中心に設立しました。
オランダでは長年に亘り、卸売市場の中に大きな切花の日持ち検査室があります。常に生産者から持ち込まれた切花の日持ち検査を行い、生産者は自ら生産した切花の特性として、どのくらいのベースライフかを掴んでいました。それは昔から今日に至るまで同じだと思います。


一方日本では、農水省が今から10年ほど前に卸売市場に切花の検査室を作り、それぞれの花のベースライフを調べることを目的に指導が行われてきました。それ故その検査方法はいくつかの基準を作り実行してきたと思われます。実際、FAJさんの検査室は十分機能しています。

その中でインパックは独自の考えで検査室の充実を図ってきました。それは種苗会社、生産者の皆さん、鮮度保持剤メーカー、加工メーカー、スーパーマーケットなどの販売者の皆さんが、自ら生産、加工販売する商品のベースライフを知り、自信をもって販売できる「日持ち保証販売」が行われることを目的としていました。
しかし、実際には定期的な検査を行っているのは一部の加工メーカー、生産者の方々です。今後はさらに広報活動を行い日持ち検査をおすすめして参ります。


更に今後インパックが販売するエチレン分解の装置の設置方法や設置数量を調査するのと同時に、エチレン発生量の調査などを行って参ります。

今後、切花や園芸品などの鮮度保持を中心にした検査を行う機能を増やしてまいります。
 

2021年06月04日(金)更新

オランダ人のスピリッツ!

現在、オランダの農業の国際競争力はアメリカに続き世界第2位です。
ヨーロッパの中でもオランダは大農業国です。特にウエストランドを中心に施設園芸が盛んで一年中野菜や切花を生産しています。

私の知る限り、オランダの農業は2度大きな危機を迎えたことがありました。

一つ目は、オランダの生産コストが高くなり、南ヨーロッパや北アフリカで生産された花等が大量に北ヨーロッパに入ったことにで大きな打撃を受けました。その後、オランダは環境、安全の基準を作り、その基準に当てはまらないときは少なくともオランダでは受け取れない、としました。ここでオランダの優れたところは、その新基準をオランダ以外のアフリカや、アジアの国々にも認めたことです。
しかしその後、オランダと同じ基準の切花がオランダ以外の国からも大量に入ってくることになりました。ここでまたオランダは農業の危機に直面することになりました。

その後、オランダは起死回生の生産方法を取り入れました。坪あたりの収量を飛躍的に伸ばす工夫をし、オランダ農業は世界第2位に戻ることになったのです。
飛躍的に伸ばすことになった要因はグリーンハウスの高さです。限界まで高くして10mを超えるハウスが出来、トマト等を生産しました。更にまた、2階、3階のハウスが出来ました。この様に危機からの脱出は改めて農業の復活を意味しています。

ある時、オランダからの農業ミッションが来日した際に、セミナーが開催され、私は質問を致しました。「なぜ海外の会社にすべてを提供するのか?」それに対してオランダ人は「それがオランダ人のスピリッツだ」と答えてくれました。

 

2021年06月02日(水)更新

良し悪し様々

今朝は早朝からホテルに来ています。
恐らく200名以上入れるラウンジに、朝食時ではありながら、お客は私を含め4名です。

昨年同じ時期に来て驚きましたが、今年も全く同じ光景です。ホテル側がいくら努力をしてもこれでは大変です。
この光景を見ると他人ごとではありませんが、反対に花き業界の中でもホームユース市場は活況を呈し始めました。ブルーミーライフさんはテレビで広告を打ち始め、他のサブスク企業も大変な忙しさです。更に異業種からユニクロを始め最近ではカフェチェーンも参入してきました。この様に切花市場に多くの企業が興味を持ち、優れたビジネスを行っています。

それでは良いことばかりかというと、たくさんの問題もはらんでいます。切花生産者の減少から量が欲しい時期に価格の高騰が続きます。セリではそうでないときは一気に値を下げます。上手に仕入れたときのみ利益が上がりそうでないときは赤字になる、傾向が続いています。

私はこのことで昔の事を思い出しました。ポリエチレン加工業界です。今ではその数を減らしたため、反対に景気のいい会社もあります。
ポリの加工業界は長年に亘り、安値の加工賃で運営をしてきました。それがそこで働く人の高齢化が進み、いよいよという段階で一気に廃業し、今では単純なポリ加工業はないと言ってもいいのではないかという状態になりました。

余りに安値が続けばそこで働く人たちは後継者を育成出来ず、実質継続を阻まれることになります。
勿論今のままで単純に価格を上げましょうと言っているのはありません。生産方法を変化させたり、大規模化や生産品目をホームユース用に変えていく、など努力は惜しまずやる必要があります。しかしその時期も過ぎている可能性もあるかもしれません。


やはりオランダに学ぶ必要があります。

2021年06月01日(火)更新

役割の重要性

昨年に引き続きコロナは猛威を振るっています。ホテル等観光事業や外食関連のご苦労は並大抵の事ではありません。
花き業界も大きな打撃を受ける中、ホームユースにその活路を見出し、中にはテレビ宣伝を始めた企業も出てきました。そこには単に利益を出しその中から広告宣伝費を出すといった花き業界で昔から行われてきた事ではなく、資本を受けビジネス展開を進める他業界では普通に行われる先行投資を繰り返し、大きく歩みを始める企業が花き業界にも生まれたことを意味します。
更に効果的だったのは、従来花の購買層でなかった若い女性をターゲットにビジネスを進めることにより、確実にその市場を伸ばしていることです。若い女性は花を買わなかったのではなく、購入する場がなかったと考えるべきであります。


インパックは従来日本になかった2つの事を行うことにより、サブスクを推進する皆さんと同じ様に新たな市場を作り出そうとしています。
ひとつはブーケです。従来ブーケは生花店の物で、量販店各社の取り扱いは僅かの量でした。しかし、実際にはブーケは確実に必要な物であります。2つ目は日本国内のホームユースで圧倒的に少なかったバラの消費です。更に言えば小輪のバラの消費の少なさです。インパックはブーケとバラでその市場を作るつもりです。

バラの販売を現在の3倍の1000万本にする。これは決して夢の数字ではなく達成可能な数字です。数を追いかけることを言っているようですが、決してそうではありません。ヨーロッパのバラの消費は恐らく50億本を超えるでしょう。それに対しての日本は2億本少々、まずはこの差を埋める必要があります。
 

2021年05月28日(金)更新

インパックの変化の兆し

過去50数年の中でこの40年近くインパックは包装資材の中でも切花の包装に特化してきました。90%以上切り花の包装資材・包装機械の取り扱いになって既に30年以上経ち、現在ではほぼ100%が花き園芸関連の資材と機械を取り扱っています。

切花を取り巻く包装環境の変化を一言で言えば「機械化」でした。インパックは切花の包装でもホームユースが主体の会社ですので、豪華なギフトパッケージに必要なラッピングペーパーはあまり取り扱いがありません。常に切花のホームユースの包装開発に関わって参りました。現在の自動包装機と資材であるフラワースリーブとは切っても切れない関係にあり、ホームユースフラワー市場においてより主体的な商品として受け取られてきました。しかし、ここに来て更なる自動化が普及しようとしています。自動スリービングマシーンです。全自動まであと一歩のところまで来ました。

そして時代は大きく変わり、食品、切花もすべてロス低減の動きが広がり始めてきました。今までは大量に作り、大きくロスを出してきました。問題はそのロスが全てコストとして計算されている点です。更に大きな問題として、炭酸ガスの削減が切実になってきています。
つまりロス削減はコストばかりでなく環境問題にも大きく関わってきているのです。この時代にあって単に包装資材を取り扱うことだけでは罪になります。インパックという会社の概念を変えなければいけません。
ロス低減、炭酸ガス削減などを踏まえた会社に作り替える必要が出てきました。それが「FMベンダー」=「フレッシュネスマネージメントベンダー」という概念です。今まではインパックから社会を見てきましたが、これからは社会からインパックを見ていく事になります。
取り扱い商品は従来のパッケージは勿論ですが、今後は灰色カビ病対策、エチレンガス対策、温度管理可能な低温、高湿度冷蔵庫、物流用の温度管理ラベル、更にこれらを活用した設備、設備の設計、施工等また、鮮度管理の関わるコンサルテーション、つまりスリーブなどの資材の取り扱いから、TTIの様な鮮度流通に必要な鮮度保持システム、エチレン分解システムの提案、また移送式低温、高湿度切花冷蔵システム、切花の鮮度管理テスト、またその設備の開発等、従来の商品に加え、FMベンダーにふさわしい業態へと変化を続けて参ります。
 

2021年05月27日(木)更新

TTtimer 本格採用

昨日の皆既月食は残念ながら見ることが出来ませんでした。朝礼の挨拶の中で社員が月食の話をしてくれましたが、お天気はどうにもなりませんでした。

今朝は8時に日比谷に来ています。11時の約束ですから8時30分に会社を出ればいいのですが、昔からの癖で3時間前到着はやめられません。もっとも、午後一の約束などではこの方法は通用しません。今日は多少遅いのですが、朝一番の約束でありましたので、実行可能となりました。

今日はインパックの次代を担う商品のひとつであるTTI(Time Temperature Indicator)、商品名「TTtimer」が初めて市場に出る日です。TTIの使い方はいろいろありますが、鮮度管理に非常に適しています。
今回の使い方も異業種であるCAFÉが花販売を行うにあたり、いつまで花を販売するかを花を扱ったことにないスタッフの人にTTIの色で知らせるというものです。
これであれば毎日決められた時間にTTtimerを確認するだけで販売可能かどうか判断することが出来ます。

今日はインパックのお得意先様が使用を決断し、店舗で扱い始めることになった第1日目となっています。開店まであと2時間となりました。
 

2021年05月26日(水)更新

チャコボールは高くない!

これからカインズ様の園芸売り場で「チャコボール」が販売されることになりましたが、これは大変優れた用土です。

園芸用土というとピートモスが中心ですが、現在北欧、イギリスを中心にこれ以上掘ることが禁止され始めました。ピートモスは、ドイツにある100㎞四方がピートモスと言われるピートランド、更に東に向かい現在のリトアニアあたりが大きな産地になっています。
ピートは土であって土ではありません。ピートモスは昔の草ですが長い年月と氷河期を経たことから雑菌の全て死滅し、見た目が土の様になっている泥炭で、土ではないのです。前述の通り、菌の繁殖が見られないことからヨーロッパから世界中に輸出されても問題がないとされています。それゆえ世界中の園芸生産者にとって、このピートはなくてはならないパートナーとなっているのです。

しかし、このことが今問題となっています。先ほど触れたようにピートの採掘が禁じられ始めてきたのです。園芸業界にとって安価で便利な用土はこれからかなり厳しくなってきます。オランダでは人工用土の開発を急いでいますが、今はまだそれに対応する用土は出来上がっていません。

「チャコボール」はピートとは比較にならない程、高価格です。
しかし、洗浄・殺菌すれば繰り返し使用することが出来る「チャコボール」はリユース可能な用土であり、2回使用すれば価格は半分、3回使用すれば1/3にといったように10回使用すれば1/10になってきます。チャコボールの粒がつぶれない限り使用することが出来ます。この様に考えるとチャコボールは決して高いものではありません。

またどうしても処分が必要な時は燃えるゴミとして処分が可能です。その意味でも扱いやすい用土となっています。

チャコボールは家庭内で使用する用土として最適なものです。
 

2021年05月25日(火)更新

いよいよ始まります。

TTtimerはTTI(Time Temperature Indicator)の商品名です。目標となる温度時間値に近づくと袋の中の液体の色が変化することで、様々な商品の鮮度管理を可能にします。

今まで試験場などでのテストに際しての使用がを中心でしたが、今年に入り次第に仕事の場で使用されるお引き合いを頂き始めました。このTTtimerの使用方法は様々です。当初インパックは、花き業界に対しご使用をお勧めしてきました。事実テストを行ってこられた試験場などではその成果にご満足いただいています。2月に開催されたSMTS(スーパーマーケット・トレードショー)ではその成果をパネル展示いたしました。更に生鮮野菜に使えることを共同研究を行った農研機構内でも確認しています。

今週末、大手カフェチェーンで花の販売が始まるのを機に花の店頭管理のデバイスとして採用が決まり、これから納品が行われます。
更に関西のスーパーマーケットでは生鮮品の輸送の確実性の証明にTTIが有効とのご判断を頂き、来月以降、説明会とテストを実施することになりました。また海外に対しては2度目のサンプル出荷が今月末行われます。

更にインパックがエチオピアから輸入するバラには全てTTtimerは使われ、弊社のギフトにも使用することになっています。
この様にTTtimerが多くの人の目に触れる機会も増えて参ります。
 

2021年05月24日(月)更新

羽衣の牡丹?

先日古い友人からメールがあり、その中に「お能の中に良く花が出てくるが知っていますか」と書いてありました。
あまり見ていませんが、そういえば、有名な「羽衣」の中に出てくるシテの天女の冠は流派によってはその冠の正面に大きな花が付いているものを使っています。
松の木の枝にかけておいた羽衣を漁師の白竜がそれを見つけ家に持ち帰ろうとすると、天女が現れ、その羽衣がないと天に戻ることが出来ないと大いに嘆きます。その情景を地謡が「涙の梅雨の玉鬘、挿頭(かざし)の花もしをしをと、、、、」と謡います。友人がそのこと指していたかどうかわかりませんが、私が花を扱う仕事をしているという事で連絡してくれたのでしょう。
「挿頭の花もしをしを」とありますが、天に戻れないかもしれないと感じた瞬間、頭に挿してある花が萎れてくるのが、天女の気持ちと一体になっているのがわかります。それではなんの花なのかと思いましたが、客席から見る限り作り物ではありますが、どうやら蓮か牡丹ではないかと思います。つぼみからフルに咲く手前の状態です。

その後、あまりに天女の嘆きの深いことから白竜は羽衣を返しますが、舞を見せてくれればという条件を付けました。更に先に羽衣を返すとそのまま天に昇ると疑います。よって舞を見せてくれた後、返しましょうという事になりましたが、その時天女は「疑いは人間にあり、天に偽りなきものを」と謡います。
この言葉に白竜は大いに恥じ入り羽衣を返します。天女は返してもらった羽衣を羽おり、舞うことになりました。序の舞ですが羽衣最高の見せ場です。
過去に一度だけ経験しましたが、舞の最後のころ橋掛へ移った天女が本当に天に帰る様に演じる人がいましたが、かなり感激しました。
 
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会社概要

2018年インパック株式会社(事業会社)の代表取締役に守重へきろう就任 IPホールディングス株式会社(持株会社)設立 代表取締役に守重知量就任 2016年花の鮮度保持管理コンサルティング会社 フラワーウォッチジャパン株式会社設立(子会社) 2014年東京オフィス本社移転...

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  • :Shino[01/18]
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    • 高倉町珈琲、見かけることはあっても入ったことはなかったので、この記事を読ん...

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  • 靴磨きは一つの楽しみ
    • いつも素敵な靴を履いていらっしゃるので、私もきちんとしなければと思います。...

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    • 別に嫌がってはいませんよ笑 楽しみにしています!

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