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2023年05月09日(火)更新

更なる高品質を求めて!

いい商品を世に出すには材料の選定、生産管理、工程管理、品質管理などいくつもの必要不可欠の工程があり、それらをまとめて製品品質ということになります。
更に輸送品質も重要です。切り花の場合、生産者の責任として生産品質に加え配送業者の輸送品質が加わり始めてトータルでの品質ということになります。
いくら良い製品(切り花)を作っても輸送品質が低ければ全体としては低品質になってしまいます。切り花で言えば低温輸送か、常温輸送かなどは分かりやすい事例となります。輸送品質の中には荷済み、荷下ろしといった間接的なことも入ります。まさに2024年問題はこの付近も入ってきます。
今日は製品(切り花)の輸送品質について都内のある検査機関を訪ねました。本来の目的は別にありました(切り花の環境テスト)が、私はその延長にある製品の輸送テストにも興味を持っています。世の中の全ての製品と言って良いほどこれらのテストは行われています。例えば輸送テストは振幅1~1.5mmで1時間動かすと100kmを走行したことになります。
更に落下テストは1.2mから垂直に落下させたり、角から落としたりして箱の中の保護性を見ます。花の場合は常温輸送と低温輸送があります。以上のように生産者の皆さんがいい製品(切り花)を作り出荷しても、その後の管理が低品質では全体として本来はダメになります。これからの花き業界は輸送品質の向上が急務となりますが、そのためには様々な輸送に関係するテストを行う必要があります。

個々の生産地は自らの製品(切り花)に更なる自信を持つためにも、様々な輸送テストを行う、まずは状況の把握を行うことが必要になります。

花の輸送テストに関わることは、いつでもご相談ください。
info@impack.co.jp
 

2023年03月27日(月)更新

パレチゼーションは勝利する!

zモノの流れには商流と物流があります。

今より50年前あたりから、物流がより前面に出てきました。松下包装研究所の所長は日本がテレビで世界を席巻できたのは物流のおかげと話していました。それまでの日本のテレビは、世界に持って行くにも家具調テレビで思うように数が海上コンテナに入りませんでした。家具調テレビはデザインから入っています。しかし松下電器は海上コンテナの内寸を図り、一分の隙もないように外装の計算をし、その段ボールケースの内寸に合わせテレビの寸法を決めていきました。
完全にコンテナリゼーションの考え方です。これによりアメリカを中心に日本テレビは世界のトップになりました。物流の勝利でした。

海外から来る花はともかく、日本国内で流通する花も今後パレチゼーションの考えを元にすることが重要です。パレット、もしくは台車の寸法に合わせ段ボールサイズを決める、切り花は様々な種類がありますが、花に合わせ段ボールの設計をするのではなく、パレットや台車に合わせ設計を行い、その中に花を入れる!
これからますます物流費が上がることを考え、物流を考えることが重要になってきました。
 

2023年03月20日(月)更新

もっと良い国へ

もっと良い国へ

40年前のある日、埼玉のHONDAの工場を副社長と尋ねたことがありました。担当の方をお待ちしていると、よく知る方と偶然お会いしました。20歳の時亡くなった最も親しい友人のお父上でした。自動車の部品メーカーに勤めHONDAと商談で来られていました。その日まで勤め先を知らずにいましたので本当に驚きました。

その時伺った話です。日本の自動車産業とアメリカの自動車産業との技術の差は3か月になったもう少しでアメリカに追いつく!と夢のような話を伺いました。本当にそうだろうか、不思議な気持ちで聞いていました。先端を行く人と一般の人との間にはずいぶん差があると思いました。
似た話はそれから15年前にも経験しました。私が18歳の時、先輩の話を聞いたことがありました。その時伺ったのはあとわずかで日本は先進国の一員になるという話でした。
日本は1960年にGDP一人当たり1万ドルを超えるところまで来ていました。今でも思い出すことができますが、友人のお父上や先輩が本当に熱心に世界トップになる!世界の仲間入りをする!ことを熱心に語ってくれました。その後の日本の経済発展は世界で奇跡のように取り扱われました。

それから40年、50年が過ぎた今、賃金は世界で30番目あたりです。物価も世界から見るととても安い国になっています。これからは経済の事ばかりでなく、生活環境を含め、もう一度ギアを入れなおし、より暮らしやすい国にしていくことが重要となります。

 

2023年02月08日(水)更新

PE(ポリエチレン)フィルムの今後

環境問題は連日、に触れるようになっています。家庭においては別が日常になっています。海のゴミもその解決に向かって様々な解決方法が打ち出され始めました。

プラスチックから紙への移行は進み始めています。事実、インパックもペーパースリーブメーカーとして一年が経ちました。様々な場面でOPPフィルムから紙への転換が図れる事が分かってきました。これは環境対策として大きな流れの一つです。

さて、スーパーでは多くの食品が販売されていますが、その全てにラミネートフィルムが使用されています。カレーやスパゲティーソースのように不透明のアルミ使用の物から、おせんべいのようにOPP/PP(延伸OPP/シーラントPP)のラミのもの、漬物のようにNY/PE(ナイロン/ポリエチレンのラミ)などその全てが、2層からお茶のように8層以上のものまでラミネート品であふれています。商品により使い分けられています。
それらは商品の保存のため、商品の持つ性格や保存期間の長短により包装設計されているのです。そのため様々なフィルム(ナイロン、ポリエステル、エバール、)、また様々なコーティングされたフィルムなどを使用することになり、結果長期保存のきくものが出来上がります。数多くのフィルムが使用されていますが、その処理は樹脂が異なる分、大変な事になります。

しかし最近これらの現実が劇的に変化する方向性が出てきました。
PE(ポリエチレン)単体ですべてを済まそうという考えです。それはポリエチレンフィルムに酸素透過の低い素材のコーティングを行い、目的の保存を果たそうという技術です。又、そのポリエチレンは殺菌温度にも耐えることの出来るものを使用することになります。
仮にポリエチレン単体で全てをまかなうことが出来れば、その処理はモノマテリアル(単体の材料)だけに単純に行うことが出来ます。
この技術の元はどうやら日本ではありません。
 

2023年01月24日(火)更新

チャコボールの将来性

以前にも一度触れたことがありました。
昨年、ピートモスが今後生産が難しくなるニュースが世界を驚かせました。イギリス、スエーデンなどは確実に生産中止となりました。現在リトアニアのものが入荷していますが、今後大地を掘って生産することが一層難しくなることが想像できます。
現在オランダではピートの代わりの人口用土を開発していると聞いていますが、まだ完成したとは聞いていません。

チャコボールはインパックの用土ですが、完全に人口用土です。900度近くで燃焼するため、衛生的で安全な用土となっています。セラミックとおが屑から出来ています。これらの材料はピートモスに比較すれば、循環的に使用することが可能で、出来上がった商品(チャコボール)自体はリユースが出来ます。この商品は製造場所の群馬でSDGsの認定を受けており、環境配慮型の商品となっています。
チャコボールの使用方法には大きく分けて二つの流れがあります。一つはチャコプランツ(チャコボールを使用した鉢植え)のように植物と一体となって開発する商品、もう一方は生産者の方が農場で使用する用土としての使用方法です。この場合、何度も使用できますが、洗浄、殺菌の施設が必要になります。その代わり使用量は大きくなります。

現在は圧倒的にチャコプランツとして利用されていますが、生産者用に生産するか否かはっきりさせるところです。
 

2022年11月09日(水)更新

選択肢は一つではない!

先ごろ展示会が行われました。10月の事です。参加する機会が二度ありました。双方ともに昨年、一昨年と比較し出展者も参加者もその数を増やすことになりました。
主催者も私たち参加者も一安心いたしました。

今回の展示会で感じたことは環境問題です。長年に亘りプラスチック関連の材料で商品つくりを行って参りましたが、時代はそれだけでは不十分であることを教えてくれました。インパックで言えば紙スリーブの評判でした。今回出展した商品の中では最も人気の高いものでした。多くのサンプルやカタログをお渡ししました。すぐ紙スリーブが大量に出ることは考えられませんが、これからの時代を考えると大きな商品になって行くでしょう。既に大手量販店の花売り場では60%が紙スリーブになっています。更に切り花ばかりでなく、鉢物にも採用されることになるでしょう。すでに中国製の紙スリーブが使用されているようです。インパックは国産第一号となりますが、さらに多くのユーザー様に紹介し続けて参ります。今回の展示会を通して大手量販店様も紙スリーブのご採用が決まりました。それだけ環境問題にご関心があるのでしょう。

勿論プラスチックから紙への動きはその全てではありません。反対に紙からプラスチックへの動きもあるかもしれません。耐久性の視点では明らかにプラスチックが優れています。中には何度使用しても壊れないものがあり、場合によっては10年を超えるものもあります。それらは最終的にはマテリアルリサイクルされ、もう一度同じ製品を作っていきます。
我々は明らかに使用用途により素材を選ぶ必要があります。過日トヨタの社長は車の選択肢は電気だけではない。と言っていますが全く同感です。我々で言えば、紙かプラスチックかではなくそれぞれの用途で最適なものを選んでいく必要があります。その前提はどちらが地球への負荷が少ないか、で選ぶ必要が出てきました。
 

2022年11月07日(月)更新

白金触媒

今日は北大の先生方3名が入間のIFL(国際フラワーロジスティック:インパックのブーケ工場です)に来訪されます。今回の先生方はメインのお仕事はフードロスの研究をなさっています。その中でお知り合いになったのですが、お一人エチレンの分解の研究をなさっている先生がおられ、白金触媒でエチレン分解をすることで食品の日持ちを伸ばす実績をたくさんお持ちの方です。家庭用冷蔵庫の中にこの触媒が入り野菜の日持ちに役立っています。一昨年来その仕組みを野菜工場で実験した結果、良い結果が得られ、北海道の工場では昨年実際に使われた工場の第1号が生まれました。量販店の野菜工場です。
何回かの接触の後、今回のご来訪になりました。

生花業界でもエチレンは昔から知られ、エチレン感受性が高いと花がしおれ、つぼみや花が落ちたりしてしまいます。それ故、採花の後、STS処理がされ、少しでもエチレンからの影響を受けない努力を行っています。特にカーネーションは世界中の生産地で処理が行われ、出荷されています。

今回は花そのものにではなく、工場全体のエチレン除去を目的としています。工場や倉庫のサイズにより触媒の設置条件が異なります。今回はそこも含め、設計頂く事になりました。効果を見て来年の展示会に出すつもりです。少しでも日持ちが長くなれば消費者の皆様から喜ばれることになります。

今回は担当の常務とインパックの顧問をお務め頂いている小國先生と対応いただくことになっています。小國先生も北大農学部のご出身ですので、いい話合いが出来ると思います。
 

2022年09月21日(水)更新

確信 モノマテリアルの時代

月に一度プラスチックの勉強会を開催しています。参加者は部課長を中心に12名ほどです。本社では講師の先生を囲み、工場や各営業所の皆さんはZoom参加となっています。講師は小國先生(日本食品包装協会専務理事)にお願いしています。

今プラスチックの勉強会は時代逆行と思われがちですが、むしろ今こそ勉強をする必要があると考えています。今までプラスチックは使い捨ての風潮がありました。結果、海の汚染、処理できない大量のごみといった問題から、脱プラスチックの時代に入り始めています。しかし、石油産業の中にある包装業界の中では、プラスチックを使用したものがその主流を占めていることがすぐ理解できるほど、スーパーマーケットの食品売り場に行くと様々な食品がプラスチックの容器で包装されているのを見ることができます。プラスチックの容器がなければ、こうした食べ物を安全に食することはできません。そこには様々な工夫や技術が存在しています。
様々な食品の袋は、1枚のフィルムのように見えてはいますが、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどのフィルムを糊で貼り合わせています。つまり、それぞれ特徴あるフィルムを貼り合わせ、中の食品を殺菌する際、熱に耐えるもの、油脂の多いものにはそれに耐えるフィルムといったように中の食品の成分に合わせ、更に日持ちや輸送などのファクターを加え、包装設計をしているのです。ここで言えるのは、出来ないことはありませんが、何層にも貼り合わせたラミネートフィルムの後処理は非常に難しいということです。種類の異なるフィルムの回収、再生は難しいのです。
そこで出てきているのがモノマテリアル(単一材料)による包装です。食品を日持ちさせるには、酸素を如何に遮断し酸化を防ぐかにあります。それ故、ナイロン、PETを使用し、更にPVDCコーティング、アルミ、アルミ蒸着といった素材を使い酸素の透過を防いできました。勿論アルミは完全に遮断しますが、他の材料の中にもそれに近いものが多く存在し、これらを用いてコーティングや蒸着といった技術で酸化防止フィルムを作り上げてきました。しかしそれらはどうしても何種ものフィルムを使います。しかしモノマテリアルの考えで行くと、単一の素材だけで十分な酸素透過の基準を満たすことが出来れば、貼り合わせの必要はなくなります。具体的には汎用フィルムであるPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)にガス透過性が圧倒的に少ないシリカ蒸着を施すことで、PE単体、PP単体で十分に日持可能な包装資材が出来上がる事になります。
そうなれば後処理は非常に簡単になります。ペット容器と同じようにPEとPPだけになり回収再生の道が開かれることになります。これからの包装業界の発展には「モノマテリアル」の考えが重要になって来るでしょう。歴史的に見てもモノマテリアルは間違いなく画期的な技術となります。
 

2022年09月01日(木)更新

花の日持ち

切り花の販売を続けるインパックのIFL(国際フラワーロジスティック:入間工場)の特徴は、3温度帯でバラの保管、加工、出荷の体制を整えていることです。これらの結果、間違いなく日持ちは3日ほど違ってきます。更に3温度帯を補完する意味でエチオピアからのバラの輸入は国内の切り花の輸送より安定した状態でIFLへ入荷しています。国内の場合、どんな温度で何時間かけて市場に入り、そこから各工場へ納品されるかは証明することができません。

インパックの場合、エチオピアの生産者が梱包した際、出荷前にTTTimer(温度時間値を見るデバイス)をすべてのボックスに貼り付け、アジスアベバ(空港) - 飛行機 - 成田空港 - インパック(IFLの冷蔵倉庫)、この一連の流れで入荷直後の温度時間値はおよそTTV(温度時間値)600前後です。本来TTV 500以下で入荷するのが良いとされていますが、16時間かかる飛行機の中は温度コントロールが効きません。およそ10℃から12℃程となります。これが5℃となると恐らくTTV 500近くになります。

この様に、温度時間値は鮮度を表す指標となります。入荷までが500以下、加工場から量販店店頭までが200、店頭3日間で1,500(500×3)となり、合計1,700となります。切り花の生命力は温度時間値で表すと7,500です。7,500-1,700=5,800となります。花は1日約500(24時間×20℃)づつ生命力を失っていきます。この場合、20℃の部屋に置かれた時、約11日の日持ちとなります。安全率30%を差し引くと、丁度7日から8日の日持ちとなります。
 

2022年08月10日(水)更新

量販店における花の包装

日本ではおよそ35年前、量販店の店頭(セルフ売り場)にパックされた切り花が並びました。1987年の全農花きセンターによる加工とダイエー碑文谷店での販売の話は業界ではあまりに有名です。

この時の包装資材はOPP(オリエンテッドポリプロピレン)でした。優れた透明感を持つ二軸延伸ポリプロピレンです。この時代は長く続き、今でも切り花の包装資材の主体となっています。他のフィルムと比較も安価で加工のしやすさなど優れた点を多く持つフィルムです。しかしOPPだけ、を許さない時代に入りました。一昨年辺りからバイオマスプラスチックの登場があり、インパックもバイオマスマークの取得をいたしました。勿論その系統のスリーブの取り扱いもあります。
更に紙スリーブが海外の市場で一部見られ始め、国内でもインパックが他に先駆け製品化を行いました。既に一部の量販店の店頭には並び始めています。また今月中には他のスーパーにも並ぶことになっています。
この様に書きますと、プラスチックの代用として紙があるかのように聞こえますが、そうではなく、紙と花の相性、などを考えると花の包装は紙でなくてはならないといった多少強い考えになります。一方プラスチックは前のままではすまないでしょうから、バイオマスプラスチックの登場が考えられます。

つまりバイオマスフィルムはOPPの代替品として登場してきました。しかし紙はOPPの代替品ではなく、紙でなければならないといった本質的な面からの登場でもあります。紙を使用した切り花の新製品を考える必要があります。価格の事を考えてもOPPの袋に比較すると3倍、4倍のコストですから、単にプラスチックの代替品では済みません。紙スリーブを使用した、全く新たな商品を作り出す必要があると考えています。
 
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会社概要

2018年インパック株式会社(事業会社)の代表取締役に守重へきろう就任 IPホールディングス株式会社(持株会社)設立 代表取締役に守重知量就任 2016年花の鮮度保持管理コンサルティング会社 フラワーウォッチジャパン株式会社設立(子会社) 2014年東京オフィス本社移転...

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