大きくする 標準 小さくする
前ページ

2022年11月09日(水)更新

選択肢は一つではない!

先ごろ展示会が行われました。10月の事です。参加する機会が二度ありました。双方ともに昨年、一昨年と比較し出展者も参加者もその数を増やすことになりました。
主催者も私たち参加者も一安心いたしました。

今回の展示会で感じたことは環境問題です。長年に亘りプラスチック関連の材料で商品つくりを行って参りましたが、時代はそれだけでは不十分であることを教えてくれました。インパックで言えば紙スリーブの評判でした。今回出展した商品の中では最も人気の高いものでした。多くのサンプルやカタログをお渡ししました。すぐ紙スリーブが大量に出ることは考えられませんが、これからの時代を考えると大きな商品になって行くでしょう。既に大手量販店の花売り場では60%が紙スリーブになっています。更に切り花ばかりでなく、鉢物にも採用されることになるでしょう。すでに中国製の紙スリーブが使用されているようです。インパックは国産第一号となりますが、さらに多くのユーザー様に紹介し続けて参ります。今回の展示会を通して大手量販店様も紙スリーブのご採用が決まりました。それだけ環境問題にご関心があるのでしょう。

勿論プラスチックから紙への動きはその全てではありません。反対に紙からプラスチックへの動きもあるかもしれません。耐久性の視点では明らかにプラスチックが優れています。中には何度使用しても壊れないものがあり、場合によっては10年を超えるものもあります。それらは最終的にはマテリアルリサイクルされ、もう一度同じ製品を作っていきます。
我々は明らかに使用用途により素材を選ぶ必要があります。過日トヨタの社長は車の選択肢は電気だけではない。と言っていますが全く同感です。我々で言えば、紙かプラスチックかではなくそれぞれの用途で最適なものを選んでいく必要があります。その前提はどちらが地球への負荷が少ないか、で選ぶ必要が出てきました。
 

2022年11月07日(月)更新

白金触媒

今日は北大の先生方3名が入間のIFL(国際フラワーロジスティック:インパックのブーケ工場です)に来訪されます。今回の先生方はメインのお仕事はフードロスの研究をなさっています。その中でお知り合いになったのですが、お一人エチレンの分解の研究をなさっている先生がおられ、白金触媒でエチレン分解をすることで食品の日持ちを伸ばす実績をたくさんお持ちの方です。家庭用冷蔵庫の中にこの触媒が入り野菜の日持ちに役立っています。一昨年来その仕組みを野菜工場で実験した結果、良い結果が得られ、北海道の工場では昨年実際に使われた工場の第1号が生まれました。量販店の野菜工場です。
何回かの接触の後、今回のご来訪になりました。

生花業界でもエチレンは昔から知られ、エチレン感受性が高いと花がしおれ、つぼみや花が落ちたりしてしまいます。それ故、採花の後、STS処理がされ、少しでもエチレンからの影響を受けない努力を行っています。特にカーネーションは世界中の生産地で処理が行われ、出荷されています。

今回は花そのものにではなく、工場全体のエチレン除去を目的としています。工場や倉庫のサイズにより触媒の設置条件が異なります。今回はそこも含め、設計頂く事になりました。効果を見て来年の展示会に出すつもりです。少しでも日持ちが長くなれば消費者の皆様から喜ばれることになります。

今回は担当の常務とインパックの顧問をお務め頂いている小國先生と対応いただくことになっています。小國先生も北大農学部のご出身ですので、いい話合いが出来ると思います。
 

2022年09月21日(水)更新

確信 モノマテリアルの時代

月に一度プラスチックの勉強会を開催しています。参加者は部課長を中心に12名ほどです。本社では講師の先生を囲み、工場や各営業所の皆さんはZoom参加となっています。講師は小國先生(日本食品包装協会専務理事)にお願いしています。

今プラスチックの勉強会は時代逆行と思われがちですが、むしろ今こそ勉強をする必要があると考えています。今までプラスチックは使い捨ての風潮がありました。結果、海の汚染、処理できない大量のごみといった問題から、脱プラスチックの時代に入り始めています。しかし、石油産業の中にある包装業界の中では、プラスチックを使用したものがその主流を占めていることがすぐ理解できるほど、スーパーマーケットの食品売り場に行くと様々な食品がプラスチックの容器で包装されているのを見ることができます。プラスチックの容器がなければ、こうした食べ物を安全に食することはできません。そこには様々な工夫や技術が存在しています。
様々な食品の袋は、1枚のフィルムのように見えてはいますが、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどのフィルムを糊で貼り合わせています。つまり、それぞれ特徴あるフィルムを貼り合わせ、中の食品を殺菌する際、熱に耐えるもの、油脂の多いものにはそれに耐えるフィルムといったように中の食品の成分に合わせ、更に日持ちや輸送などのファクターを加え、包装設計をしているのです。ここで言えるのは、出来ないことはありませんが、何層にも貼り合わせたラミネートフィルムの後処理は非常に難しいということです。種類の異なるフィルムの回収、再生は難しいのです。
そこで出てきているのがモノマテリアル(単一材料)による包装です。食品を日持ちさせるには、酸素を如何に遮断し酸化を防ぐかにあります。それ故、ナイロン、PETを使用し、更にPVDCコーティング、アルミ、アルミ蒸着といった素材を使い酸素の透過を防いできました。勿論アルミは完全に遮断しますが、他の材料の中にもそれに近いものが多く存在し、これらを用いてコーティングや蒸着といった技術で酸化防止フィルムを作り上げてきました。しかしそれらはどうしても何種ものフィルムを使います。しかしモノマテリアルの考えで行くと、単一の素材だけで十分な酸素透過の基準を満たすことが出来れば、貼り合わせの必要はなくなります。具体的には汎用フィルムであるPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)にガス透過性が圧倒的に少ないシリカ蒸着を施すことで、PE単体、PP単体で十分に日持可能な包装資材が出来上がる事になります。
そうなれば後処理は非常に簡単になります。ペット容器と同じようにPEとPPだけになり回収再生の道が開かれることになります。これからの包装業界の発展には「モノマテリアル」の考えが重要になって来るでしょう。歴史的に見てもモノマテリアルは間違いなく画期的な技術となります。
 

2022年09月01日(木)更新

花の日持ち

切り花の販売を続けるインパックのIFL(国際フラワーロジスティック:入間工場)の特徴は、3温度帯でバラの保管、加工、出荷の体制を整えていることです。これらの結果、間違いなく日持ちは3日ほど違ってきます。更に3温度帯を補完する意味でエチオピアからのバラの輸入は国内の切り花の輸送より安定した状態でIFLへ入荷しています。国内の場合、どんな温度で何時間かけて市場に入り、そこから各工場へ納品されるかは証明することができません。

インパックの場合、エチオピアの生産者が梱包した際、出荷前にTTTimer(温度時間値を見るデバイス)をすべてのボックスに貼り付け、アジスアベバ(空港) - 飛行機 - 成田空港 - インパック(IFLの冷蔵倉庫)、この一連の流れで入荷直後の温度時間値はおよそTTV(温度時間値)600前後です。本来TTV 500以下で入荷するのが良いとされていますが、16時間かかる飛行機の中は温度コントロールが効きません。およそ10℃から12℃程となります。これが5℃となると恐らくTTV 500近くになります。

この様に、温度時間値は鮮度を表す指標となります。入荷までが500以下、加工場から量販店店頭までが200、店頭3日間で1,500(500×3)となり、合計1,700となります。切り花の生命力は温度時間値で表すと7,500です。7,500-1,700=5,800となります。花は1日約500(24時間×20℃)づつ生命力を失っていきます。この場合、20℃の部屋に置かれた時、約11日の日持ちとなります。安全率30%を差し引くと、丁度7日から8日の日持ちとなります。
 

2022年08月10日(水)更新

量販店における花の包装

日本ではおよそ35年前、量販店の店頭(セルフ売り場)にパックされた切り花が並びました。1987年の全農花きセンターによる加工とダイエー碑文谷店での販売の話は業界ではあまりに有名です。

この時の包装資材はOPP(オリエンテッドポリプロピレン)でした。優れた透明感を持つ二軸延伸ポリプロピレンです。この時代は長く続き、今でも切り花の包装資材の主体となっています。他のフィルムと比較も安価で加工のしやすさなど優れた点を多く持つフィルムです。しかしOPPだけ、を許さない時代に入りました。一昨年辺りからバイオマスプラスチックの登場があり、インパックもバイオマスマークの取得をいたしました。勿論その系統のスリーブの取り扱いもあります。
更に紙スリーブが海外の市場で一部見られ始め、国内でもインパックが他に先駆け製品化を行いました。既に一部の量販店の店頭には並び始めています。また今月中には他のスーパーにも並ぶことになっています。
この様に書きますと、プラスチックの代用として紙があるかのように聞こえますが、そうではなく、紙と花の相性、などを考えると花の包装は紙でなくてはならないといった多少強い考えになります。一方プラスチックは前のままではすまないでしょうから、バイオマスプラスチックの登場が考えられます。

つまりバイオマスフィルムはOPPの代替品として登場してきました。しかし紙はOPPの代替品ではなく、紙でなければならないといった本質的な面からの登場でもあります。紙を使用した切り花の新製品を考える必要があります。価格の事を考えてもOPPの袋に比較すると3倍、4倍のコストですから、単にプラスチックの代替品では済みません。紙スリーブを使用した、全く新たな商品を作り出す必要があると考えています。
 
«前へ