大きくする 標準 小さくする
前ページ

2025年06月04日(水)更新

コロナは四年続きました。

友人たちと話しますが、コロナが与えた影響は本当に大きなものであったと結論づけています。おそらく日本でトップクラスの葬儀社は先ごろ経営母体が変わりました。花き業界でも大きな影響を受けたことは事実です。冠婚葬祭に直結した産業でもあり影響を受けないはずはありません。
約4年間の長さはどのくらかというと、太平洋戦争で日本が参戦していた時期と同じです。もう少しでウクライナとロシアの戦いもそうなります。ビジネスに相当の被害が出て4年間はかなり長い年月でした。国家はコロナ融資を行うなど多くの企業に貸し出しを行っていました。しかし最近になり返済が滞る事態が多く生まれています。

多く人の集まる行事は極力止めることになり、夜の宴会、会食などもホテルや外食産業に被害を与えました。飛行機や、JRにおいても人の流れが止まるほどの勢いでした。コロナが去り(言い切れない部分もありますが)人の流れも戻る中で葬儀の在り方などはすっかり変わりました。戻った様で戻っていません。戻った産業もありますが戻らない産業もあります。コロナ期間中にビジネスの形を変えていたのです。

申し上げたいことは会社のあるべき姿です。
それは普段から会社の状態を何があっても安心できる状態に保つことなのでしょう。 そのために企業は普段から努力を重ねることになります。現在花き業界を見る時、市場も何事もなかったように4年前と同じ様に仕事をしています。コロナをまともに受けた花き業界ではありましたがその影響がなかったように、今年の母の日も無事行われました。つまり、四年に亘る期間は大変長い期間ではありましたが、それぞれの努力の中で乗り越えて今日を迎えています。
しかし問題はこれからです。時代は変わっても常にビジネスは苦難が伴うことになるでしょう。
 

2025年05月07日(水)更新

関税

長年かけて築いてきたものを壊す人がいます。これは誰でもできる訳ではなく、かなり覚悟を決めて進めているのでしょう。

今の自由貿易体制は関税も出来れば撤廃しより安い価格でお互いに海外の物も手に入れるころが出来る。これは一国で出来る訳ではなく相手が有り、互いに同じ考えで初めて達成できることになります。

私が子供の頃、外車と言えばアメリカ車でした。真っ黒で幅も有り、背の高い車は全てアメリカ車でした。きっと関税も200%、300%でした。まるで船の様な幅が広く、背の低い車もすべてアメリカ車で今でも時々見かけることがあります。その後、有名なマスタング。カマロなどは私が20代初めの頃でした。アメリカ車があふれていました。丁度カローラがアメリカで売れ始めた頃ででもあります。しかしその後、ヨーロッパ車全盛になってきました。ベンツ、BMW、などのドイツ車でした。更にその後フランス車もあり、スエーデンの車も続いています。サイズも性能も燃費も良く日本人に向いた車が多く走り始めました。現在では関税は撤廃されています。この様に関税が撤廃されて以降自動車の輸入は増えてきました。輸入における関税はその様な関係だと思います。その結果現在では23万台ほどが毎年輸入されています。外国車で一番売れているのはミニで15000台です、二番はアメリカのジープで13000台です。アメリカ車も実際売れているのです。

自動車の例ではありますが、世界各国で互いに商品の輸出入を増やすことを考え、関税撤廃を進め、今日に至っています。今回はアメリカの戦略上の問題で関税が使われ始めましたが、恐らく自分たちだけの考えでは本来事は進みません。しかしアメリカが始めたということで混乱する状態となっています。
 

2025年01月29日(水)更新

流通業界の役割

今日は大事なセミナーが開催されます。恐らくここには名だたる国内の量販店の社長始め役員等それに準ずる方々が参加されています。多くは主催者の代表者である故渥美俊一先生の教えを得た方々であります。今回インパックは社長他5名での参加となります。年初の政策セミナーは全てのスーパーマーケット、ホームセンターにとってこれから先半年間の方向性を学ぶ会になっています。今日、明日の2日間、出席者の皆さんは真剣に学ぶことになります。政策セミナーには国内量販店の社長はじめ役員等が参加するのが常ですが、スーパーマーケットのある種の教育機関である日本リティリングセンターは社員の各層ごとに多くのセミナーが用意しています。その中で政策セミナーは社長、役員などが学ぶ会となっています。

私はある年、東京の政策セミナーに出られず、代わりに渥美先生が講師を務める大阪のセミナーに参加いたしました。この時大変驚いたことがありました。先生は量販店の発展に誰とよりも熱意のあることは承知していましたが、お身体が思うようにならず椅子に座っての講演になりました。その冒頭先生は「50年前皆さんと日本の量販店の売り上げでアメリカを抜くと約束したが果たせなかった」「皆さんは一体何をしていたのか」お身体が必ずしも十分でなかった先生は絞り出すような声で激を飛ばされていました。いつの間にか椅子から立ち上り話していました。誰よりも熱心に業界の事を考えておられた方でした。

スーパーマーケット業界の事について触れたいと思います。私は災害が起きた時、最も重要な業界はスーパーマーケット、ホームセンターのような小売業だと思います。
きっかけは東日本大震災でした。一瞬にして地震や津波の被害を受け、店舗も被害を受けましたが、一般の市民は更に大変な思いをすることになりました。地域にどんな立派な企業が大きな工場を持っていても役に立ちません。むしろ災害の場合、スーパーの持つ役割は小さくありません。店の物を持って行ってもらい、寝泊まりに困った人は建物の中で休んでもらう等、小売業の役割は大きなものとなりました。日本リティリングセンターの政策セミナーでは早速イオンリテールの社長、コメリの社長、日本生協連合会の専務理事のお三方をお呼びしてこれからの災害に対する量販店、生協の使命は何か、といった内容でした。イオンの社長のお話では、この時すでに各自治体との間で災害時食品の提供などの契約を進めており、全国の自治体との間で契約を済ませたいとありました。生協は配達する車で何処へでも食料を積み走る、とありました。コメリの社長もイオンと同じ発言でした。私は大災害を経て流通業界は他の業界に出来ないことをする業態に昇華した気がしました。本当に素晴らしいです。

 

2024年12月18日(水)更新

SMTS(スーパーマーケットトレードショー)

全国のスーパーマーケットでどの位花が売られているのでしょう。少なくとも今から40年前はセルフ売り場に花が売られていることはありませんでした。お花を販売するスーパーはありましたが、全て近くの生花店が入っていました。スーパーさんの中に花屋さんがありました。現在の花売り場の多くはセルフ売り場が中心になっています。中にはセルフ売り場と共に販売員を置き、お客様の希望の花束を作るところもあります。この様な場合は売り上げもかなりあるお店です。

今回手元に社団法人全国スーパーマーケット協会、社団法人日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、三団体の著したスーパーマーケット年次統計調査報告書があります。ここには商品別に売り上げがどうであったかというより、大きな視点で自動レジの普及状況、PB商品の割合等、ご覧になる方が自分の店との比較が簡単にできるような内容になっています。
私共はどうしても花がどれだけ売られているかを見たいのですがそれはありません。花に関して言えば花を販売しているスーパーマーケットがどのくらいあるのかといったことが出てきます。私たちはこれだけでも大いに参考になります。
花は22年度:93.8%、23年度:90.2%、24年89.8%、となっています。お花は確かに苦戦が続いていますが、販売する店舗も減っていました。様ざまなことが考えられますが、関係する私たち(生産者、卸売市場、仲卸、加工メーカー)は現状を認識し、改めてスーパーマーケットの花が再度売り上げアップに協力し、新たな商品を造り出す必要があると感じました。
花に限りませんが、どうしても元気のない業界は新商品も出ない、チャネル開発もしない、環境問題も考えない、となっています。
来年二月には幕張の展示場でSMTS(スーパーマーケットトレードショー)が開催されます。インパックはここに向かって様々な新製品を発表し、スーパーマーケットの花の売り上げアップにお役に立ちたいと考えています。

ご来場をお待ち申し上げます。
 

2024年12月11日(水)更新

インパックの仕事

現在物価が上がっています。スーパーマーケットで販売される食品の価格は現在何次値上げか分からない程、何度も上っています。
私たちの花はどうでしょうか。やっと値上げがありましたが、その後下げる事になったりしています。値上げに足る仕事をしていないからでしょうか。今を機に仕事の在り方や、考え方などを替えないと意味がありません。単にやっていけないから、原価が上がったから上げたのではなく、新たな花売り場を創造する気概があって、初めて今までとは異なる商品、今までとは違う価格が認めて頂けるではないでしょうか。勿論これだけやるのも大変です。消費者の皆さんに何を訴えたいのか、何を提案したいのかがあって、初めて花売り場になっていきます。
それらを考えるのはきっと難しいでしょう。
インパックはスリーブの製造販売、会社です。更に機械はオランダから仕入れ、メンテナンスを含めすべてインパックが行います。それ故、スリーブ屋や機械屋と言われます。それはそれで正しい姿です。しかしインパックは日々の仕事を通して、日本の花の将来を考えています。更に言えば花業界の事も考えています。(不遜な言い方をお許しください)花売り場の将来は今と異なっています。今よりきっと明るく楽しい花売り場になっています。
尤も越えなければいけないことが多くあります。花の原価、束のデザイン、鮮度管理、物流、パッケージなどです。その中でも物流は業界を挙げて考えています。これらを限りなく解決し、店頭でやっと1束買っていただくのです。

例えばコロナがあります。コロナが収束し漸く街に人が戻りました。更に関連する業界も潤っていますが、しかしコロナ前に戻すだけでは意味がありません。コロナ収束を機に今までとは違う戦略を作り実行したところが潤っています。単に価格を上げるだけでは何の意味もありません。
花き業界もいよいよ本気を出す時期になってきました。
 
«前へ