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2022年09月29日(木)更新

ブーケの時代

私はブーケが量販店の大きな商品になることを夢見ています。

今から25年ほど前、オランダでのスーパーの花売り場では今の日本と同じく一束5~10本の花束が中心でした。つまり今はブーケが商品になっていますが、当時のオランダのスーパーでは価格帯の高いブーケは販売されていなかったのです。

しかし量販店もブーケメーカーもいつか1束700円から2,000円位までのブーケを販売する計画を持ち、その準備を進めていました。町中にはフローリストによる生花店とスーパーのフラワーショップが併存し、フローリストは高級品を販売し、一方フラワーショップは街角に比較的安価なブーケを販売していました。しかし量販店が次第に花の販売を増やし、少しずつその影響力を高めていた時です。
ついにアルバートハインは大手ブーケメーカーと話がまとまり、花売り場にブーケを投入し始めました。しかしこの時のブーケ販売はうまくいかず、ブーケメーカーもその力を落としていきました。しかし双方あきらめず2度、3度の挑戦を経て、現在では量販店、ガソリンスタンドでブーケが大量に販売されています。1,000円から2,000円くらいです。

現在、日本の量販店花売り場は変化の時に入る直前と考えています。その意味では顕在化していません。しかしブーケを販売するはずの生花店は20年前から見ると件数が半減しています。ブーケを買う場所が半分になっています。更に中にはブーケ用の花材を置いていない生花店も出てきました。
つまり消費者側から見ると自由に、いつでも適正価格のブーケを購入することが出来なくなり始めています。仮に量販店花売り場にあらかじめ用意されたブーケが販売されることになればかなり消費者の側も便利になります。
コストコの花売り場は1,000円から2,000円の商品が並んでいます。ホームユースの花は300円前後の花しか売れないのではなく、購入する場所がないのではないかと考えています。
勿論これからも様々実験を繰り返す必要がありますが、いよいよその時期に来ていると考えた方が自然ではないかと考えています。

ブーケの顕在化はすぐそこに来ているのです。と言うのが私の考えです。
 

2022年07月25日(月)更新

再開 オランダツアー

今晩、JFMA(日本フローラルマーケティング協会)によるオランダツアーが計画されています。カタール航空による旅行となります。少なくとも前回のツアーから見ると丸々二年は空いたでしょう。今回の目的の一つは2022年フロリア―ドということになります。フロリア―ドは10年に一度開催されてきました。私はフロリア―ドには過去2回ほど出かけましたが、常にオランダ国内のどこかの都市で開催され、とても人気のあるイベントです。それも10年に一度必ず園芸博覧会を開くことが約束されていることは素晴らしいことです。私は数年前までほぼ毎月オランダに出かけていましたが、そのうち何回かは毎年出かける展示会を予定に組み込んでいました。それまでオランダの展示会に行かなかったのは一度きりでした。展示会は毎年ほぼ同じメーカーが出展され、あまり変化のない年もありました。しかし、出かければ必ずその成果はあったのです。新たな企業との話、新製品の事、オランダの花き生産が大きく変化することなど、展示会を回るとオランダの花き業界が手に取るように分かるのです。今まで経験した中で3回ほど印象深いことがありました。

それは花き生産がオランダから一気にケニア、エチオピアへ流れ始めた時、この時はいきなり東アフリカの国が参加し始めました。切り花の成長には加工が欠かせないとなった時、多くの加工メーカー、市場がブースを作り始めました。更に加工の機械化が始まったときは多くの機械メーカーが参加してきました。これらの動きは何年かを経て世界中に広がってきました。

オランダは常に花きの先進国です。今回のフロリア―ドは一体何を見せてくれるのでしょうか。楽しみは広がります。私は日本で待つことになりますが、インパックはへきろう社長が参加いたします。報告が今から楽しみです。
 

2022年07月12日(火)更新

大使来訪の続き

去る7月5日にエチオピア駐日大使の来訪があり、高輪から2時間以上かけて入間市の国際フラワーロジスティクスまでお越し頂きました。

お帰りになった翌日、私たちは知りませんでしたが、エチオピアのウェブニュースに大使の来訪が掲載されたようです。ニュースの内容をその後、取り寄せたところ、大使と握手を交わす私の写真がありました。その次の日にはオランダの花き業界のニュースサイトであるFloral Daily にも同じニュースが掲載されていました。
Floral Dailyは花きの世界では有名な会社です。今回は思わぬ形で紹介されました。

私の最も申し上げたいことは、国内でもっとバラを普及させたいということです。

ヨーロッパ60億本、日本は2億本、この差は全てホームユースの差です。
日本国内のバラの需要の多くは、結婚式、ディスプレイ、ギフトなのでしょう。その点、ヨーロッパの最も売れる短径、小中輪系のバラはスーパーマーケットで売られています。
私の役割は国内でバラの普及に当たることです。
 

2022年05月02日(月)更新

母の日

毎年、母の日は第2日曜日ですが、今年の母の日は5月8日となっています。今回は母の日としては最も早い年に当たります。

また、数年前からコロナ禍もあって言われてきたことは、母の日をたった一日のものではなく、母の日Weekとか母の日Monthにしてはどうかとの考え方です。私も全くその意見に賛成します。母の日は1週間前にはその準備が終わり、注文を頂いた商品づくりに邁進します。どうやらこれは日本ばかりでなく、昨年あたりはアメリカの花き業界でも言われていました。
生花業界にとって、母の日程多くの商品が動くことはありません。勿論12月、春・秋の彼岸、お盆なども多忙を極めますが、母の日は5月の第2日曜と定められている分、贈る側もその日に贈りたいと考えるのは普通の話です。しかしそれを実行するために生花業界としては生産者、市場、販売者ともに毎年大騒ぎになります。
今でも徹夜をする人もいます。
それよりもっと緩やかに、5月いっぱいが「母の日月間」となった方が良いのではないかと考えています。
 

2022年04月27日(水)更新

小川先生

今年法政大学を定年でお辞めになった方がおります。法政大学で長くマーケティングの教授を務められた小川孔輔先生はこの35年間、花き業界に多くの貢献をされました。現在でもJFMA(社団法人日本フローラルマーケティング協会)の会長をお務めになっています。先週小川先生の退職のお祝いを神田小川町のバーで行いました。
35年ほど前にお会いし、その後先生と本格的にお会いするようになったのは、先生が業界の事で色々考えていることがあるようなので、法政の研究室の訪ねるようにと電話をもらい、お訪ねしました。この時お聞きしたのは先生がアメリカのFMA(フローラルマーケティング協会)で日本の花産業の講演をされ、その時見た名簿の中に一社だけ日本の会社、インパックの名前があるのを見て連絡を取ったとのことでした。日本にJFMAを作ろうと言われ、早速動き始めました。はじめに数名は集まりましたが、なかなか20名に到達しませんでした。20名を過ぎる頃からメンバーが集まり、その後発足に至りました(会長:小川先生・副会長 インパック 守重知量・ゼントクコーポレーション 伊藤瞳様)。業界で初めて横の連携ではなく種苗会社、生産者、市場、仲卸、小売り店舗(一般生花店とスーパーマーケット)といった縦の連携の団体が出来上がりました。
また自由な雰囲気と新たなものに挑戦する意気込みがあり、歴史学で言うアジールと考えています。日持保証販売、フラワーバレンタイン、コンテナ規格統一、花きの環境認証MPSの導入、展示会開催)など具体的な実績を残しました。この後も活動は続きます。

アジール:戦国時代の堺のような新たなことに挑戦し、全国から人が集まる街や、駆け込み寺の意味があります。
 
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