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2021年09月16日(木)更新

国際花き分析センター


今週発刊の花き園芸新聞に、世田谷の花き分析センターが紹介されていました。正確には記事の中にセンター長の宮西さんに名前が出ていたといった方が正しいと思います。
今回の記事がクランチスタイル様の記事でしたが、その中に世田谷の国際花き分析センターとの関わりがあるという記事でした。

私共は大きなくくりでは、包装産業の一角を占めています。それも花き包装業界、更に言えばホームユースフラワー包装業界という事になります。インパックは役員全員が若いころ、食品包装分野でビジネスを行っていました。それも畜産のチルドビーフ関連、レトルト包装分野などで仕事をさせて頂いていました。当時レトルト分野の包装資材メーカーはトップの数社に限られていました。藤森工業、東洋製缶、カイト化学、凸版印刷、大日本印刷などです。このトップクラスのメーカーの特徴は社内に研究所を持ち、レトルト釜を持ち、すべて社内で実験や検査が出来る体制をとっていました。その中でも藤森工業、東洋製缶の両社は群を抜いていました。フィルムの張り合わせ技術、高温に対するフィルム選定等どれをとっても国内を代表していました。レトルト釜は全て本機(ユーザーと同じ大型機)で実験を繰り返し、常に最高品質の商品を送り出していました。私は当時レトルト用のフィルムを三社から購入していましたが明らかに藤森工業の品質は勿論、営業、技術の人たちの対応が違っていました。
素晴らしいものがありました。
一方、生花業界で包装資材を提供する企業はかなりありますが、インパック以外にラボを持ち、生花の品質向上に努めている企業はありません。鮮度保持フィルムを販売している企業もありますが、基準のない中で取り扱いを行っています。またそれらを証明する設備もありません。

私共インパックは藤森工業の研究所を忘れたことがありません。いつか各包装資材メーカーとしてラボを持ちたいと考えておりましたが、ようやく世田谷生花市場内に「国際花き分析センター」を持つことが出来ました。現在インパックの顧問の小國様は元藤森工業の研究所の所長(その後フジモリプラケミカル社長)をお勤めになっていました。40年ぶりにお付き合いが再開しています。

 

2021年08月23日(月)更新

技術革新と心の問題


これからの社会は今まで以上に変化すると言われています。今後の技術は、今までの技術を確実に凌駕し、遠い将来、確実に起こると言われる地球からの脱出を目掛け、その革新を繰り返しているようにも見えます。
また、近未来に向けては、その変化の速度はかなり早いと見た方がいいと言えます。しかしこれも確実に言えることは、技術革新が続けば続くほど一方で心の問題が浮き彫りになってきています。それほど今日の時代の速度は速まっています。明らかについていけない企業、個人が出てきます。企業、国家が大きく発展すれば、ついてこれない企業、個人を救済する方法もあるでしょうが、できれば合わせてやってほしいものです。

それぞれの企業は生き残りをかけ、常に技術革新を繰り返しながら今日まで来ました。最近私はお能を見る機会が格段に増えてきました。先ほどの時代の速度の速さを認識すればするほど、能楽堂へ足が向いてきました。650年以上続くお能は明らかに世界でもっとも古くからおこなわれている芸能です。ギリシャ悲劇などはさらに古くからありますが、途中が大きく抜けています。それに対してお能は途切れることなく今日まで続いています。
お能は一見650年変わらず今日まで続いているように見えますが、その間イノベーションの繰り返しでした。全曲で3,000曲ほどあったものが今日では250曲、更に私たちが常に見るのは100曲に選択されます。始まって以来、90%以上は廃曲の受け目にあっています。
今残っている曲も変化の連続であったようです。残るべくして残ってきました。又同時に、様々な演じ方が考案され「小書き」と称される特殊演出の舞台を私たちは見ることが出来ます。更に5つの流派、また更に、演じるシテ役により解釈を常に行い演じています。
そのイノベーションを続けるお能自身、常に中心に人の心を意識しているところに私は新しさを感じています。
 
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