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2025年01月29日(水)更新

流通業界の役割

今日は大事なセミナーが開催されます。恐らくここには名だたる国内の量販店の社長始め役員等それに準ずる方々が参加されています。多くは主催者の代表者である故渥美俊一先生の教えを得た方々であります。今回インパックは社長他5名での参加となります。年初の政策セミナーは全てのスーパーマーケット、ホームセンターにとってこれから先半年間の方向性を学ぶ会になっています。今日、明日の2日間、出席者の皆さんは真剣に学ぶことになります。政策セミナーには国内量販店の社長はじめ役員等が参加するのが常ですが、スーパーマーケットのある種の教育機関である日本リティリングセンターは社員の各層ごとに多くのセミナーが用意しています。その中で政策セミナーは社長、役員などが学ぶ会となっています。

私はある年、東京の政策セミナーに出られず、代わりに渥美先生が講師を務める大阪のセミナーに参加いたしました。この時大変驚いたことがありました。先生は量販店の発展に誰とよりも熱意のあることは承知していましたが、お身体が思うようにならず椅子に座っての講演になりました。その冒頭先生は「50年前皆さんと日本の量販店の売り上げでアメリカを抜くと約束したが果たせなかった」「皆さんは一体何をしていたのか」お身体が必ずしも十分でなかった先生は絞り出すような声で激を飛ばされていました。いつの間にか椅子から立ち上り話していました。誰よりも熱心に業界の事を考えておられた方でした。

スーパーマーケット業界の事について触れたいと思います。私は災害が起きた時、最も重要な業界はスーパーマーケット、ホームセンターのような小売業だと思います。
きっかけは東日本大震災でした。一瞬にして地震や津波の被害を受け、店舗も被害を受けましたが、一般の市民は更に大変な思いをすることになりました。地域にどんな立派な企業が大きな工場を持っていても役に立ちません。むしろ災害の場合、スーパーの持つ役割は小さくありません。店の物を持って行ってもらい、寝泊まりに困った人は建物の中で休んでもらう等、小売業の役割は大きなものとなりました。日本リティリングセンターの政策セミナーでは早速イオンリテールの社長、コメリの社長、日本生協連合会の専務理事のお三方をお呼びしてこれからの災害に対する量販店、生協の使命は何か、といった内容でした。イオンの社長のお話では、この時すでに各自治体との間で災害時食品の提供などの契約を進めており、全国の自治体との間で契約を済ませたいとありました。生協は配達する車で何処へでも食料を積み走る、とありました。コメリの社長もイオンと同じ発言でした。私は大災害を経て流通業界は他の業界に出来ないことをする業態に昇華した気がしました。本当に素晴らしいです。

 

2025年01月28日(火)更新

花のパッケージ “スリーブ“

スリーブを始めて見たのは私が40歳の時ですから38年前になります。オランダの話です。街中でもフラワーショップの花束は全部スリーブに入っていました。フローリストはブーケを作り大きく切られたOPP(透明のフィルム)できれいに包装されていました。どちらかと言うと安価な花はほぼスリーブに入っていました。スーパーの花売り場でもショピングセンターにあるお花屋さんでもスリーブに入った花を販売していました。

現在の日本でも同じことが行われています。スーパーやホームセンターでも花売り場はスリーブに入った花束が売られています。今その花が初めの時の様に花が売れなくなりました。もちろん事情は様々あるでしょうが、私は37年前初めてスーパーマーケットがスリーブに入った花を売り始めた頃と今の花売り場を比較すると一部のスーパーを除き、ほぼその姿に変化はありません。つまり売り場に変化がないのです。売り場に変化がないのと、商品にも変化もありません。更に価格も変わっていません。私はこの話を多くの関係者の皆さんに話すことがあります。売り場も商品も価格も変化がなれば売れるはずがない、などと失礼なことを申し上げてきました。
ここにきて私の話は全て間違いだったことに気が付きました。本当に失礼なことを言ってきました。インパックはスリーブのメーカーです。年間2億枚近く生産しています。更にインパックは印刷したスリーブ(デコスリーブ)を生産し、様々なイベントに合わせ印刷スリーブを生産、販売しています。つまり、企画を立てイベントに合わせ、更にお得意先様に
要望に合わせデザインしスリーブを作っています。この様な仕事をしている私たちがスリーブを更なる高度化を目指し、材質も紙を自由に加工し紙スリーブを作り始めました。つまりスリーブの企画、材料開発、一歩進め、店舗企画、などを行うインパックは、ここで基本から花の販売を考え直し、包材の立場から花の発展に移送役立つことが出来ると考えました。

40年近く同じことの繰り返しを花はやってきた結果が今なのだと、まるで傍観者のようなことを言ってきたことを心からお詫びします。私共インパックが生産者、生花卸売市場様、量販店様や花束加工加工メーカー様に、更なる企画をご提案してまいります。
今まで以上の関係性を待たせて頂きたく、よろしくお願いいたします。
 

2025年01月27日(月)更新

来月は式能があります

徳川時代、世の中で慶事があるとそれに合わせ江戸城で「式能」が執り行われました。場所は江戸城本丸の表舞台で行われていました。式能は幕府の正式な行事として行われ、参加者は当時四座一流(四座:観世流<結崎座>・宝生流<外山座>・金春流<円満井座>・金剛流<坂戸>+喜多流)、現在では五流派が勢ぞろいします。現在では「座」とは表現しませんので五流派が出演します。
式能の番組では「翁付き」で行われます。翁を始めに演じたあと、囃子方が何人か残り引き続き一番を休みなく演じることになります。今回は翁の後は西王母となっています。お正月の金春会の定例会では翁の後は高砂が演じられていました。翁の後は必ず神様が主体のお能が演じられることになります。
式能は翁の後五番のお能と四番の狂言が演じられます。それでも10時に始まり、19時30分には終了しますので、恐らく企画段階から大事な演目ではありますがどちらかというと短めの番組が選ばれている気がします。

我々のために前半、後半のチケットがあり購入することが出来ますが、勿論通し券もあります。また、出演する演者の皆さんも観世、金春、宝生、金剛、喜多の五流がすべて参加する形になっていますが、これも徳川時代と変わらず行われています。
素晴らしいと思うのは700年以上続く能楽が、様々な歴史を持ちながら今日に続いている点です。本来であれば現在では存在していない喜多流は徳川家康があまりの名手故、大阪方にいたことで中々世の中に出られなかった北六平太を探し出し、一派を作らせたことなどは素晴らし過ぎる事実です。その後現在まで喜多流は続いています。北六平太は7歳で高砂を秀吉の前で演じた天才です。

今回も式能がやってきますが、楽しみにしています。
 

2025年01月23日(木)更新

ワンコインクラブ

ワンコインクラブという名称の発案は恐らく元大田花き顧問の方です。多くの子供たちへお花を送り届け一緒にブーケやアレンジを作って花の楽しさを実感して欲しい、という素朴で価値ある考えが発端でした。

それらを実行に移すため、親しい花市場の社長に代表をお願いし、ご快諾を頂き現在に至っています。ついでながら副代表には私が務めさせて頂いています。毎月500円、一年で6,000円を会費として会員の皆様から頂いています。
10年ほど前、花育が盛んに取り沙汰されていました。当時は生花関係の会社を経営している人は花育を盛んに行っていましたが、最近まで行っている企業は少数になりました。それでも現在まで続けている企業はいくつかあります。事務局から送られる報告書には実際に一緒に花を制作する小学生の皆さんが沢山の花を贈られ、その花を使って様々なデザインのアレンジをする喜びや知らなかった花を覚えていく楽しさなどが書かれています。それらを見ていると、確かに小学生の皆さんは花を楽しんでいる様子がよく分かります。

私たちも当初、花を楽しむ人が増えれば大きくなった時、花を購入する大人が増えていくだろうと考えていました。勿論そうなっているかは分かりませんが、花を好きになってくれた人は随分増えたのではないかと考えています。

現在もこの活動を続けていますが、お花を待っている学校・生徒さんがいます。


 

2025年01月22日(水)更新

ブーケの普及

今から20年ほど前、オランダやイギリスなどで花売り場の中でブーケが見られ始めました。それまでは何処の国でも単品束売りといった具合で1束5本前後の花が良く売られていました。尤も今でも基本今でもこの流れは続いています。
しかしブーケを商品として店頭に投入するには花材の確保、ブーケを誰がどのように作るのかが大きな課題でした。どちらも初めは手作りで行っていましたが、一部の加工メーカーが様々工夫されたオランダ製のブーケマシーンを発売し始め、実際に導入されたブーケメーカーもありました。様々な機械化の動きもありましたが、実用可能な機械としてのブーケマシーンはフランスから出て来ました。この機械は花の産地やオランダなどのブーケメーカーに出荷され始めました。私はこの機械は定着するものと考えています。インパックにはデモ機が一台置いてあります。

ブーケを量販店の店頭に並べる努力は様々でした。イギリスでは初めから一般の束と同じように並べ売られました。オランダでも実際そうなのですが、中々販売が加速せず、大手加工メーカーはついに手を引いてしまいました。その意味ではイギリスの方がブーケは広がって行きました。現在でもブーケが多く並べられています。フランスではまず店頭にブーケの写真があり、それを見て必要なお客様がサービスカウンターで注文し、翌日以降に引き取る形がとられていました。現在では普通にブーケが並べられています。どのチェーンも今日の姿になるのには苦労がありました。

日本ではチェーンストアでわずかにブーケを売る店がある程度です。しかし昨年、ほんの数日間ですがブーケをテスト販売したチェーンがありました。結果としては完売されたようです。現在、次の企画を計画しているようです。全くの私見ですが、ブーケは年末の迎春用、母の日等イベントでは必ず出ます。これはインパック独自の実験で証明されています。問題は誕生日等通常の手軽なギフトとして利用されるかどうかです。努力の価値はありそうです。

先日の成人式では数多くのブーケが若い男性から二十歳の女性に贈られたようです。
 
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