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2016年12月28日(水)更新

物日-1

もっと花を広げたい - 009  2016年12月28日(水)
  
 「物日」“ものび”と読みます。勿論、花業界に籍を置く人たちで物日を知らない人は一人もいません。例え学校を出たばかりの人でも僅か働けば必ず「物日」は覚えてきます。
私も最初(35年ほど前)は何か珍しく、変な言葉だと思っていましたが、今ではこの物日に感謝する毎日になっています。

 物日とは花き業界の中で使われる彼岸、母の日など素晴らしく忙しい日々を指しています。つまりイベントです。しかし花き業界以外で物日など聞いたことがありませんでした。
それがラジオの中からその語源が出てきたのには少々驚きました。

 この言葉、江戸時代唯一の公認遊興地の吉原の中で使われていた言葉だったようです。意味は今と少しも変らず、イベントを指しています。昔、吉原では物日と称し、年間96回のイベントが開催され、吉原に来た人々を楽しませる企画がありました。とにかくサービス精神がとても旺盛だったようです。江戸時代の終わりにはその数は16回に減ってしまいましたが、お客様に楽しんで頂くことにかけては素晴らしく力を入れていました。
そのイベントを物日と称していたのですから、花き業界が確り其れを引き継いでいる事実は素晴らしいと思います。
  • NHKラジオ 歴史再発見より

    本年中はありがとうございました。皆様、良いお年をお迎え下さい。